皆さんは失恋を経験したことはありますか?
好きだった相手と別れたことでかなりのショックを受ける一方で、すぐに立ち直って次の恋を探す人もいるでしょう。しかし、失恋がきっかけで抑うつ状態になってしまう「失恋うつ」という状態があるのをご存知でしょうか。
「失恋うつ」自体は医学的診断には当たらないので診断や治療法は確立されていません。しかし、「抑うつ状態」や「不眠症状」は精神科の受診や、カウンセリングを受けることで改善が期待できますので、本記事で当てはまる症状が見られた方は一度、精神科やカウンセリングルームで相談してみることをお勧めします。
失恋うつとは何か、状態の説明やカウンセリングを受けることで期待できることなどについて、解説します。
失恋うつとは?
失恋うつとは、その名の通り、失恋した時に強いストレスを受け、抑うつ状態になってしまうことを指します。
「失恋うつ」という用語自体は、医学的診断にはあたらず、診断や治療法が確立されていませんが、恋愛関係の問題によって抑うつ状態になることは十分にあり得ることです。
特に恋愛関係は相手に依存する可能性が高いため、今まで一緒にいたことで幸せの絶頂だったのに、その相手が自分から離れてしまったことで多大な喪失感を感じるのが主な原となります。
「恋愛は自分の人生が輝いて見える期間」とも言えますが、失恋は予想以上に大きな喪失感を感じてしまいます。そうなれば、自分でもコントロールできないマイナスの感情が一気に湧き上がってしまい、うつ状態になりやすくなるでしょう。
失恋で負った傷が深ければ、死を考えてしまうこともあるほどです。
失恋うつの症状

失恋うつの症状は、一例として以下の通りです。
- 1週間~2週間ほど、食欲がない
- 過度に自分を責める
- 別れの事実を考えられない、頭が働かない
- うまく寝つけない、寝ても目が覚める
それでは、失恋うつの症状についてご説明しましょう。
1週間~2週間ほど食欲がない
失恋うつの状態の一つに、長期間食欲がない状態が挙げられます。
これは代表的な失恋うつの症状で、軽いものから重いものまで様々です。食べ物が喉を通らなかったり、食欲が湧かなかったり、食欲がなくなったりします。とはいえ、時間が経過するにつれて徐々に食欲が湧いてくるようであれば、少しずつ症状が回復していくでしょう。
しかし、1週間~2週間以上食欲がない状態が続く場合、極度の喪失感や悲しみを感じていることから、抑うつ状態に陥るリスクが高いと言えるでしょう。
過度に自分を責める
思い出したくなくても別れる前後の瞬間をグルグルと考えたり、忘れていた時に突然元恋人とのことを思い出してしまったりするケースは数多くあります。
思い出したくもないのに思い出してしまうのはもちろん、あの時別れたのは自分のせいだと責め続けることもあるでしょう。「自分のどこがダメだったのか」「自分のこんなところがダメだったんだろう」と自分を責めるのが失恋うつの症状です。
これが長く続く場合には、抑うつ状態に陥るリスクが高いため、注意が必要です。
別れの事実を考えられない、頭が働かない
失恋うつの症状によくあるのは、別れの事実を一切考えたくない状態になっていることです。別れた事実を最初からなかったかのように、元恋人と共通の知り合いとの連絡を絶ち、自分の記憶からも抹消しようとするのが特徴です。
ひとたび元恋人の話が出れば、信じられないほどの強い怒りやストレスを感じたり、元恋人に関連しているものを排除しようとする極端な行動が目に付く場合もあります。
また、頭がうまく働かなくなる状態にも注意が必要です。
仕事や家事など、普段行っている作業でも、いつもと比べて頭がうまく働かないなどの状態が続く場合には、抑うつ状態になっている可能性があるため、精神科やカウンセリングで相談してみましょう。
うまく寝つけない、寝ても目が覚める
失恋したショックが強いストレスとなって、睡眠障害を起こすのもよくあることです。寝ようと思って布団に入っても、頭の中で怒りや悲しみ、自分に対する情けなさで思考がまとまらなくなり、寝付きにくくなるのが特徴です。
うまく寝つけない、寝ても目が覚めるなどの不眠症状についても、精神科やカウンセリングの中で改善が期待できる部分ですので、気軽に相談してみましょう。
失恋うつの克服・治し方

失恋うつの克服・治し方は、以下の通りです。
- 精神科やカウンセリングルームで相談する
- 断捨離など別の活動に没頭する
- 失恋したことを友人や家族に話す
それでは、失恋うつの克服・治し方についてご説明しましょう。
精神科やカウンセリングルームで相談する
最初に覚えておきたいのは、たかが失恋で病院にいくのは恥ずかしいことでもおかしなことでもありません。
失恋そのものの問題ではなく、失恋によって生じる上記のような、「抑うつ状態」「不眠症状」といったストレス反応は精神科で相談できる事柄です。
また、精神科や心療内科のほかにも、カウンセリングルームで相談することで話を聞いてもらうことも役立ちます。
批判的にならない第三者に客観的に話を聞いてもらうことは、今の状況を整理して、今後の方向を定めていくうえで役に立ちます。また、精神科や心療内科の受診が必要な状態かのアドバイスもしてもらえるでしょう。
断捨離など別の活動に没頭する
失恋うつを克服するためには、元恋人に関連するものを思い切って断捨離するなど、別の活動に没頭することもおすすめです。
元恋人に関連したものがあると、どうしても元恋人のことを思い出してしまうので、思い切って断捨離をすれば心の整理がつきやすくなります。心がスッキリすれば、前向きな気持ちで過ごせるようになるでしょう。
また、何も活動をしていないと、どうしても失恋のことばかり考えて落ち込みやすくなるため、なにか没頭できる活動をすることが良いでしょう。
失恋したことを友人や家族に話す
失恋したことを一人で抱え込んでいませんか?そんな時は、失恋したことを友人や家族に話してみましょう。
失恋したことで自分の殻に閉じこもっているよりも、自分の口から思い切って失恋したことを話すことで、肩の荷を下ろせるのが大きなポイントです。
自分一人で抱え込まずに友人や家族に打ち明ければ、きっと一緒に悲しんでくれるので、1人で抱えているときよりも少しは気分も変わるのではないでしょうか。
相手と復縁できる可能性を高める方法
相手と復縁できる可能性を高める方法は、以下の通りです。
- 時間を置く
- 自分側に改善できる点がないか見直す
それでは、相手と復縁できる可能性を高める方法についてご説明しましょう。
時間を置く
復縁したいと思うのであれば、いったん時間をおいてみましょう。失恋した時のショックは大きいですが、そのショックから立ち直るためには時間がかかります。いったん時間を置くことで気持ちの整理もつきやすくなるので、まずはゆっくり時間をかけて出来事から距離をおきましょう。
自分側に改善できる点がないか見直す
相手の想いは自分ではどうにもならないことではありますが、自分側に別れた直接の原因があるまま復縁したいと思っても、また振られる可能性が高いでしょう。もしも自分に原因があるかもしれないと思ったなら、その原因を改善できるように、これまでの関係について見直してみることも大切です。
まとめ
たかが失恋と思う人もいるかもしれませんが、本人にとっては非常に辛い出来事です。非常に強い精神的ストレスを感じてしまい、時には「抑うつ状態」や「不眠症状」などに陥ってしまうこともあります。
上記にあげたような強いストレス反応が続く場合には、精神科の受診やカウンセリングルームでの相談をおすすめします。また、失恋したことを友人や家族に話したり、断捨離など別の活動に没頭することも役に立つでしょう。
まずは一人で抱えず、誰かに相談してみましょう。